松脂は、ここ数年で種類がとても増えました。
いろんな松脂があるけれど、どれ使ったらいいの?という方に、今回は、【価格】という観点からの比較として、低価格・平均的な価格・高価格、プラス個人的に気になったものを比較します。
松脂のあれこれ
そもそも、なぜ松脂が必要なのかというと、松脂をつけないと音が出ないのです。
弓に張ってある馬の尻尾の毛は、そのままですと毛の表面がツルツルで弦に引っ掛からないため、音が出ません。
松脂を毛につけることで、毛の表面がザラザラになって粘度も出るために、弦をしっかりと引っ掛けて音を出すことができるようになります。
松脂の塗り方については、別記事がありますのでよろしければどうぞ。
松脂比較リスト
今回比較した松脂は下記の4種類になります。
- ロジン
- GUILLAUMEギョーム松脂
- Leatherwood Bespoke Rosin レザーウッド ベスポーク
- ボガーロ&クレメンテ Bogaro&Clemente 松ヤニ Amore
一番安いものはワンコイン以下から、お高いものは1万円を超えるものまであります。
では、比較していきます。
【最安】ロジン 松やに 603型
塗りやすさは特に不便も感じず、普通の力で弓にこすりつければ、しっかりと毛に付きました。
実際に音を出してみると、少しガジガジしました。
おそらく、ガジガジの原因は、たくさんこびりついてしまった松脂の粉の粒子によるもの。粘度が高いために弓の毛にからみつき、さらに粒子が荒いために響きもガジガジしてしまっているのだと思いました。私の場合は、粘度が高い分、弾き終わったあとに、弦や弓の毛にベッタリ松脂がつくのが気になりました。
昔よくバイオリンのセット売り(分数バイオリン)に付属でついてたイメージがあります。初心者は音を出すのが難しいので、軽く弓を動かしても音がなりやすいように、このような粘度の高い松脂をセットにしていたのだと思います。
初心者の方に、おすすめです。
価格もネットで見た中で一番お安かった松脂です。
【講師の定番】GUILLAUMEギョーム松脂
ここ数年の私の定番です!
サラッとしているけれど、弦へのひっかかりが程よく、楽器がしっかり鳴る松脂です。
ソロで演奏される方や、今使っている松脂から他のものにチャレンジしてみたい方におすすめです!
私も、これを使う前まで安心のベルナルデルでしたが、生徒さんがこの松脂に変えたことでワンランクアップした音色になったため、講師の私も便乗した松脂です。
一つ難点としては、このアルミケースから取り出すのが面倒臭さを感じなくもない(ケースから出して使えば問題ないですね、割れる危険性は高くなるけど)。
価格は5千円前後です。
【高級】Leatherwood Bespoke Rosin レザーウッド ベスポーク
一時期、その値段の高さ(1万超え)にバイオリン界隈を賑わせた、高級松脂です。
ケースが皮!!木で松脂が守られている!!!高級品✨
高級だからいい。とは言えない松脂ですが、私の弓の毛と楽器にはとても合っている松脂でした。
いい弓とは、弦についつくように動かしやすいと言われますが、それを松脂で叶えてくれます。
粘度は、ギヨームと同じくらいで、サラサラしっとりという感覚、塗りやすかったです。
そして、演奏時には弦に吸い付き、弓のコントロールをしやすく調整してくれます。
説明書にも記載されてる通り、魅力を最大限に引き出す松脂です。
お高いですが、自分へのプレゼントや、贈り物にすると、とても喜ばれると思います。
【かわいい】ボガーロ&クレメンテ Bogaro&Clemente
なんか面白い松脂ないか探してみたら、見つけました。
女子ならキュンキュン?なハート型の松脂です♡
松脂のケースがまずかわいい!ハート型に、天使までついている!!
そして、実際塗ってみると、粘度が高い感じで弓の毛にしっかりと付く感覚がありました。
音色は、ザラザラな感じもありますが、いわゆる雑音ではなくて、弦が楽器の底から鳴ってる感覚です。コントロールもし易いと思いました。乾燥してるときや冬場に、もっと威力を発揮できそうな松脂です。
松脂を選ぶ基準は楽器や弓、弦から環境までさまざま
松脂の価格による比較、いかがでしたか?
松脂を選ぶときは、さまざまな要因で異なってくることをまずは頭に入れましょう。
楽器との相性や、弓の毛との相性でも違ってきます。
日本は四季があり湿度も変化します。
それによって音色も変わってきますので、高ければ誰でも合う!と簡単には言えないです。
しかし、価格も選ぶときの指針になると思いますので、ぜひこの記事を参考にしていただいて、松脂でより良い音を目指してみましょう!
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