松脂の塗り方があっているか心配、など困った事はありませんか?
よく生徒さんから松脂の塗り方について、ご質問を頂きます。
そこで今回は、松脂の塗り方についてシェアいたします。
松脂を比較してみた、の記事はこちらです。
松脂を塗らないと音がでない。
そもそも、松脂がなぜ必要なのか?
松脂を塗らないと、音が出ません。
弓の毛は、馬の尻尾の毛を整えて張ってあります。
毛の表面はツルツルしているので、弦を当てて音を出そうとしても、表面がツルツルしているので弦に引っかからないのです。
弦に引っかからないので、弦が振動しない。ということは音が出ないのです。
松脂を塗ることで、毛の表面がザラザラになります。
そのザラザラで弓の毛が弦に引っかかるので、弦が振動し音が出るようになるのです。
だから、弓の毛を張り替えたばかりのときは松脂がついていないこともあるために音がでないことがあるのです。
松脂はパンにバターを塗るようにしっかり塗りましょう。
松脂のお悩みで多いのは、塗ったけれど音が変です!というお悩みや、音が出ません!?ということです。
そのような方は共通して、塗る量が足りていません。
上記に書いたように、松脂を塗らないと音が出ませんので、音が出ないということは、まだ松脂の量が足りていないということ。
弦への引っかかりが足りていないのです。
では、どのくらい塗ればいいかというと、パンにバターを塗るようにしっかりと塗ります。
パンが美味しくなるようにしっかり塗りましょう。
そしてよくありがちなのが、松脂を塗る時に塗ってるつもりで塗れていないことがあるんです。
どういうことかといいますと、松脂の多くは布にくっついている状態で販売されています。
松脂を弓に塗るときに、この布と一緒に弓の毛に塗っていることがあるんです。
松脂をせっかく塗っているのに、同時に布で擦ってしまい松脂を拭ってしまっている場合があるんです。
ですので、松脂を塗るときは布が弓の毛に触らないように、手でしっかり持って塗りましょう。
松脂を塗る前は生成り色。塗ると白くなる。
では、どのくらい塗ったらいいのか?
まずは色で判断します。
松脂を塗る前の弓の毛は、少し生成り色をしています。
上の画像は、松脂を塗る前の毛の色ですが、少し生成り色をしているのがわかりますか?
写真中央にあるのが弓です。
弓の左側にある木枠と近い、少し木の色っぽい色をしていますよね。
松脂を適切に塗ると、下記の写真のような毛の色になります。
松脂を適切に塗ると、上の画像の様に背面の白い壁紙のように、白色になります。
松脂は弓の毛が白くなるまで塗りましょう。
弓の毛の端から端までまんべんなく塗りましょう
松脂はどこの範囲を塗ったらいいですか?という質問もよく頂く質問です。
松脂は、毛が張ってある一番端から端までを、まんべんなく塗ります。
今日は弓の元しか使わないから!私はこんな弓の先まで使わないから!と言って、使うところだけ塗らないように、毛の端から端までしっかり塗りましょう。
弓って意外と弓の先端、元まで無意識に使っているんですよ。
塗り過ぎは注意!塗り過ぎたら毛の裏側から粉を払う
しっかり塗ることは大事なのですが、塗りすぎにも注意が必要です。
なんで塗り過ぎが良くないのかというと、演奏中に弓の毛についた余分な粉が飛び散って空中を舞い、最悪咳き込むんです。
(松脂のアレルギーがあるくらいですから、粉をたくさん吸い込むのは体に悪いと思います。)
弦の下の部分が真っ白になり見栄えだって悪くなりますし、なにより音色が悪くギーギーガジガジしてきます。
では、このように塗りすぎてしまった場合はどうすればいいかというと、弓の毛の裏側から、そっと指で粉を落とします。
弓の毛の裏側とは、上の画像の人差し指が触れている面です。
この面に指を当て、左右に動かすと余分な松脂の粉が落とせます。
弓の毛は繊細ですので、優しく指を動かして粉を落としてくださいね。
弓にあったものを適量塗ると音が変わる。
松脂の塗り方で、音が変わることもあります。
ある人が音色が良くなったので、なにか変えたか聞いてみたら、松脂を変えたということでした。
松脂で音が変わるというのを実感し、驚きました。
松脂って実は価格が幅広いので、数百円から1万円台のものまであるんです。
価格の違いは、粘度の違いだったり質だったり。初心者の方は粘度が高いほうが弦に弓の毛がしっかり引っかかるので音が出しやすくなるから、おすすめ、と言われています。
よく楽器を買うとセットについてくるものや、初心者向けのセットは粘度が高いものが多いです。
また、万人向けのものとして良く使われるのは、ベルナルデルというメーカーのもの。
これはなぜ万人向けかというと、粘度のバランスが良く使いやすいからです。
弓と楽器と弦の相性によって音色や弾きやすさに差が出てきますので、安価な買いやすいものから試していただいて、ご自身の弓にあったものを適量塗りましょう。
いかがでしたか?
生徒さんからご質問が多い【松脂の塗り方】についてまとめてみました。
ぜひあなたも松脂を正しく塗って、より良い音色で演奏しましょう!
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